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農業専門家が語る 日系企業ベトナム進出の現状と課題

  • 執筆者の写真: xúctiếnvàhướngdẫndulịch
    xúctiếnvàhướngdẫndulịch
  • 2018年8月21日
  • 読了時間: 5分

こんにちは!


本日は、農業農村開発省内アグリビジネスジャパンデスク(ABJD)で活躍しておられる、安部一郎専門家のインタビューをお届けします!


安部専門家は、総合商社でご活躍された後、JICA専門家として、中央政府の農業農村開発省へ派遣され、日系企業へのアドバイザリー業務に就いておられます。


日々、ベトナム進出にかかる日系企業の相談に応じている安部専門家ですが、日系企業のベトナム進出の現状やベトナム農業の課題について、どうお考えなのか、色々とお話を伺いました。


ABJD
左から、国際協力局(ICD)職員のコンさん、安部専門家アシスタントのヒエンさん、安部専門家

◇◆◇◆ 以下、インタビュー内容 ◆◇◆◇


-安部さん、本日は宜しくお願い致します。早速ですが、ABJDという組織について、教えてください。

農業農村開発省には、日本との関係を強化するため、ズワイン副大臣をリーダーとし、各局の局長さん、副局長さんをメンバーとするタスクフォースチームがあります。ABJDはタスクフォースチームの下にJICAの協力を得て作られました。JICAから派遣されている日本人の私と、私のアシスタントで日本語が堪能なヒエンさん、農業農村開発省国際協力局のコンさんがメンバーで、ベトナム語、英語、日本語で対応できます。



-なるほど。日本からベトナムへの農業投資促進を期待されて設立されたのですね。具体的には、どういう業務を行っているのでしょうか?

農業農村開発省における日本民間企業のよろず相談です。相談事項は担当部局と相談したり、タスクフォースチームにレポートされます。日本からの農業投資を活発化するためセミナーやワークショップを開催したり、講演に参加したりしています。大臣など高官の日本向け資料の翻訳や日本企業の紹介なども行っています。



-日系企業の相談は、月何件程度あるのでしょうか?

来所、メールによる相談をあわせ月に数十件という感じです。またベトナム企業からも日系企業とのマッチングを希望するなどの相談が月に数件あります。



-中央政府の組織は規模が違いますね(笑)。ラムドン省は月5件いけば多い方です。話が逸れましたが、ベトナム進出を考えている農業系企業は、どういう分野が多いですか?加工、生産、投入資材など、農業といってもフィールドは色々あると思いますので、教えてください。

生産資材、食品加工、ITサービス、販売、ハイテク技術、環境対策技術の紹介が多いと思います。土地、気候など自然と対応する営農はハードルが高いのかもしれません。



-相談内容はどのようなものが多いのですか?

投資条件、投資手続き、海外投資に対する優遇処置、農業に関係した法規制に関する質問から土地やパートナーの紹介まで様々な内容です。



-本当に様々ですね。やはりそれだけ、ベトナム農業に関心を持っている日系企業が多いということなのでしょうか。現在、日系企業の参入障壁として何が挙げられますか?

土地の使用料が上がっていることは良く聞きます。またまとまった規模の土地がないことも問題です。インフラ整備が進むにつれて、進出地域の選択肢が増えると思いますし、ベトナム側も耕地の集約化をすすめるなど対策を講じています。



-土地の集約化、JICAやJETROのレポートをいくつか読みましたが、ラムドン省では中々進んでいないようです。ABJDへ相談後、具体的に動き出した企業はありますか?

今年からベトナムで営農を開始された方が数社おられます。



-そうなのですね。ある別の投資専門家にお話を伺う機会がありまして、ベトナムへ進出してきても、数年で撤退する農業系の企業も多いと聞きました。その要因は何であると、安部さんはお考えですか?

個人的には初耳でわかりません。一般的に海外事業投資は難度が高く、うまく行くほうが少ないと思っています。



-分かりました、ありがとうございます。ベトナム農業の課題として、農産物の品質や生産性の低さが指摘されています。ベトナム側はこの問題に対し、どのような取り組みをしているのでしょうか?

狭小な農地の集約による機械化、ハイテク農業の促進、農協の強化、拡大、GAP認証、オーガニック栽培の推奨など様々な取り組みを行っていますが、一言で言えば「量から質への転換」を図っています。



-上記以外で、ベトナム農業の課題を教えて下さい。

運輸、流通を含めサプライチェーンの整備が必要だと思います。また農家の考え方、アプローチを変えることも必要です。顧客志向、マーケットインのアプローチをすることが農家の低い収入という課題を解決するヒントになるのではないでしょうか。



-以前、ホーチミンで行われたサプライチェーンのセミナーにて、安部さんは日系企業がベトナムへ進出する際の会社形態は、外資ではなく、現地パートナーと組む方が良いとおっしゃっていました。その理由を教えて下さい。

独資か合弁かというテーマでは、様々な意見があるでしょうが、農業は土地や気候など自然を相手にした事業なので、ベトナムを良く知っているパートナーがいた方が良いと思います。63省市があるベトナムで一から作りたいものに最適な土地をさがすだけでも大変だと思います。



-分かりました。現地パートナー探しは、各企業どのように行っているのでしょうか?

日本で採用したベトナム人実習生の関係とか、JETRO他が開催しているマッチングの機会であったり、商社やコンサルタントを通じたり、当方に相談されることもあります。


-ありがとうございました。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


以上、安部専門家のインタビューでした。


ABJDは現在、ホームページを作成中とのことです。作成後は、ホームページを通じてABJDにコンタクトを取れるようになると思います。


アグリビジネスジャパンデスク連絡先

住所/B4 Building, Ministry of agriculture and rural development 2 Ngoc Ha Str., Ba Dih Dist., Ha Noi

メール/abjd@abjd.vn

対応言語/日本語、英語、ベトナム語


※安部専門家の任期は、2018年10月までとのことです。

 
 
 

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